デッドエンドの思い出

よしもと ばなな

文学

吉本芭娜娜

2003-07-26

文藝春秋

内容简介
Amazon.co.jp 『デッドエンドの思い出』は、出会いのタイミングや状況の流れが人間の関係を規定していくさまを、5つの短編によってリアルに描いた短編集である。 大学の同級生である男女の出会いと別れ、そして再会に、普遍的な人生の営みを重ねた「幽霊の家」。会社を逆恨みする男によって毒を盛られたカレーを社員食堂で食べてしまった女性編集者の心の動きを描いた「おかあさーん!」。小説家の「私」が子ども時代に実家のある街で体験した男の子とのせつなく甘美な時間を回想する「あったかくなんかない」。そして、同じビルに勤める旅の雑誌を編集する男性への5年間の思いを実らせようとする女性の思いをつづった「ともちゃんの幸せ」など、痛苦に満ちた人生の局面にそれぞれのやり方で向かい合う女性主人公の姿が肯定的にとらえられている。 登場人物の多くはネガティブな状況に置かれるが、そうした状況をやみくもに否定せず、ニュートラルにとらえ、「世界」との和解の可能性として提出するよしもとのスタンスは、本作において首尾一貫している。そうした作品集全体の方向性は、よしもと自ら「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好き」(あとがき)と語る、婚約者から別れを切り出された女性が陥ったデッドエンド(袋小路)的状況の中で掴む「最高の幸せ」の瞬間を描いた表題作「デッドエンドの思い出」に集約している。人生への絶対的な肯定に満ちた短編集である。(榎本正樹) 出版社/著者からの内容紹介 人の心の中にはどれだけの宝が眠っているのだろうか——。時が流れても忘れ得ぬ、かけがえのない一瞬を鮮やかに描いた傑作短篇集。 内容(「BOOK」データベースより) 人の心の中にはどれだけの宝物が眠っているのだろうか—。つらくて、切なくても、時の流れのなかでいきいきと輝いてくる一瞬を鮮やかに描いた5つのラブストーリー。 内容(「MARC」データベースより) 人の心の中にはどれだけの宝が眠っているのだろうか-。時が流れても忘れえぬ、かけがえのない一瞬を鮮やかに描いた傑作短編集。書き下ろし4編に「ともちゃんの幸せ」を加えた5つのラブストーリーを収録。 出版社からのコメント 「これまで書いた自分の作品の中で、いち ばん好きです。これが書けたので、小説家 になってよかったと思いました」 作家生活16年、数々のベストセラーを上 梓してきたよしもとばななさんの最高傑作 が登場します。 本作にはつらく切ない5つのラブストー リーが収録されています。恋愛のまっただ 中にいるときには、気づくことのなかった微妙な感情、言葉にすると壊れそうで言い 出せなかったもどかしい思いが鮮やかに描 かれています。それらは、甘美な経験などではなくて、つらかったり、苦しいことだ ったりするのに、時の流れの中で、いきい きと輝いてくるのです。 いったい「幸せ」とは、どんな感情なの か----。人の心の中に眠っている宝物をそ っと蘇らせてくれる珠玉の短篇集。 日常の忙しさや、煩わしい人間関係など で疲れたときに、そっとページをめくって みてください。きっと、心が穏やかになり ます。決して安易ではないほんとうの意味 での「癒し」をぜひ味わってみてください。 文藝春秋 出版局 森正明
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