-
有頂天家族
糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ちぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天―。狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった。 第20回山本周五郎賞受賞第一作!著者が「今まで一番書きたかった作品」と語る渾身の作。偉大なる父の死、海よりも深い母の愛情、おちぶれた四兄弟……でも主人公は狸?! 時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうとしている。敵対する夷川家、半人間・半天狗の「弁天」、すっかり落ちぶれて出町柳に逼塞している天狗「赤玉先生」――。多様なキャラクターたちも魅力の、奇想天外そして時に切ない壮大な青春ファンタジー。 -
恋文の技術
京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。 -
森見登美彦の京都ぐるぐる案内
乙女たちよ、腐れ大学生諸氏よ、本書を片手に京を彷徨(さまよ)いたまえ。 妄想とリアルが錯綜する「京都捻転紀行」など、 単行本未収録のお宝随筆2本立て! 京都在住の写真家サカネユキさんの叙情的な写真、 イラストレーター根岸美帆さんのラブリーなイラストマップ、 そして人気漫画家・今日マチ子さんによる描きおろし画も! あの小説の、あの名場面へあなたを誘う、かつてない京都ガイド。 -
ペンギン・ハイウェイ
森見ワールド第2章の幕が開く! 小学四年生の僕が住む郊外の町に、突然ペンギンたちが現れた。それには歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知った僕は、その秘密を研究することにした。森見登美彦が初めて挑む、ジュヴナイル小説。 -
郵便少年
ぼくは探求心と冒険心の旺盛な小学生だ。3年生の夏のある日曜日、郵便局のおじさんが手紙を回収しているところを目撃した。手紙がどこまででも届くとは、なんてすてきなんだろう!ヒサコさんという人嫌いのおばあさんと出会い、ぼくは自分で郵便局を開くことにした。 -
聖なる怠け者の冒険