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共喰い
第146回芥川賞受賞作「共喰い」――昭和63年。17歳の遠馬は、怪しげな仕事をしている父とその愛人・琴子さんの三人で川辺の町に暮らしていた。別れた母も近くに住んでおり、川で釣ったウナギを母にさばいてもらう距離にいる。日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、嫌悪感を募らせながらも、自分にも父の血が流れていることを感じている。同じ学校の会田千種と覚えたばかりの性交にのめりこんでいくが、父と同じ暴力的なセックスを試そうとしてケンカをしてしまう。一方、台風が近づき、町が水にのまれる中、父との子を身ごもったまま逃げるように愛人は家を出てしまった。怒った父は、遠馬と仲直りをしようと森の中で遠馬を待つ千種のもとに忍び寄っていく....。川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の臭いがたちこめる濃密な物語。 第144回芥川賞候補作「第三紀層の魚」も同時収録。 -
火花
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説 売れない芸人徳永は、師として仰ぐべき先輩神谷に出会った。そのお笑い哲学に心酔しつつ別の道を歩む徳永。二人の運命は。 -
欠踹的背影
《欠踹的背影》是绵矢莉莎继《Install》获得文艺奖后的第一部作品,也是二〇〇四年的芥川奖获奖作品。《欠踹的背影》以第一人称的视点,顺着主人公的心理点滴,描绘了青春期女生在日常生活中感到的与“现实世界”的不适之感,是典型的青春文学代表作。 女生长谷川初实升入高一后,发现同班同学纷纷热衷于三五成群地聚在一起组成所谓“志同道合”的小团体,然而她看不惯此种庸俗市侩的行为,宁愿自己忍受孤独,也不想放弃原则与他们混在一起。一天,她突然发现自己与独来独往的同班男生“蜷川”同属“多余的人”。蜷川听说初实见过他最喜欢的时尚杂志模特后,对她产生了强烈的兴趣;初实也在蜷川的家里知道了,自己中学时代偶遇的女性竟是超人气模特Oli。原来,蜷川是她的狂热粉丝,收集了与她有关的一切信息。好奇心使得初实开始接近蜷川,两个孤独的人慢慢有了共同的语言。蜷川邀请初实一起观看Oli的现场演出。散场时蜷川拼命想接近偶像,却受到保安粗暴的对待。蜷川开始从追星梦想中清醒过来。望着痛苦万分的蜷川,初实狠狠朝着他的背踢了一脚。