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インシテミル
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インシテミル
主人公の結城は時給1120百円という桁違いのバイトを見つけ、何かの間違いだと思いつつ応募することに。バイトの会場として連れて来られたのは暗鬼館という地下の閉鎖空間。そこに12人が閉じ込められ、人を殺してもよい(=自分が殺されてもおかしくない)中で1週間すごすことになる。表紙とのギャップが・・・・・・長いし内容も濃いですが、読むのは苦痛でなくだんだんこの閉鎖空間に引き込まれていきました。12人もの人間が出てくるので最初はさっぱりわかりませんでしたが、それ自体は大して問題なく、また徐々にわかってきます。色々な暗殺の方法があるので、ミステリマニアの人はさらに楽しめるのではないかと思います。ただ、それ以外の人でも十分に楽しめますし、常に誰かを疑いながら、ハラハラドキドキしながら見れる話です。これは是非映画化してほしいです。 -
儚い羊たちの祝宴
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。 あらゆる予想は、最後の最後でくつがえされる。前代未聞! すべての作品でラスト一行のどんでん返しにこだわり抜いた、高濃度の暗黒連作ミステリ。 -
クドリャフカの順番
待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。大人気“古典部”シリーズ第3弾。 -
追想五断章
真実はいつも、沈黙のうちに眠っている。 結末のない五つの小説。 未解決の“アントワープの銃声”事件。 消された一行が語る真相とは? 疑惑の男の真意とは?若手ミステリ作家きっての実力派が精緻を尽くした本格長編。菅生芳光は、伯父の経営する古書店でアルバイトをして学資を稼ぎつつ、大学復学を志している青年。ある日、北里可南子と名乗る女がやってきて、生前に父・北里参吾が「叶黒白」という筆名で同人誌に発表した小説5編を探してほしいと依頼する。それらはすべてリドルストーリー(結末を読者の想像に委ねてしまう小説)で、遺品の中には、各編の結末らしき一行がそれぞれ書かれた5枚の原稿用紙があったという。小遣い稼ぎのつもりで伯父に内緒で調査を始めた芳光。一編見つけるごとに可南子から最後の一行を受け取り、リドルストーリーを完成させていく。だが調査の過程で、実は北里参吾が“アントワープの銃声”と呼ばれるべルギーで起きた殺人事件の容疑者だったことが分かる。どうやらリドルストーリーに事件の真相が隠されているようだった。謎の先にまた謎。技巧に唸る本格ミステリ。 -
秋期限定栗きんとん事件 上
あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。―それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…シリーズ第三弾。