-
クビツリハイスクール
ミッションは少女救出! “ぼく”が学園で見た惨劇は―― 知らない誰かと仲良くするためには絶対に守らなければならない約束がひとつだけ存在する。その約束とは、相手に対して常に友愛の情を持つことだ。つまるところそれがどういうことかといえば、知らない誰かと仲良くすることなんて結局は不可能だという意味なのだろう。いや、そもそも、知らない誰かと仲良くしようだなんて考え自体が常軌を逸しているとしか思えない。絵空事を語ることさえ自らに許さず、たったひとつの矛盾さえも生理的に見逃すことのできない誠実な正直者、つまりこのぼくは、6月、人類最強の請負人・哀川潤に、およそ問答無用に引き連れられて、高名なお嬢様学校であるところの私立澄百合学園へと向かうことになった。そして事件はその学園の中で起きる。それは巻き込まれたと言えるかもしれないし、また、自ら渦の中へと飛び込んだと言えるかもしれない。まあ別に、どう言い、どう言いつくろったところで、それはきっと意味がないのだろう。だって起きた事件自体が、そもそも戯言みたいなものだったのだから―― 戯言シリーズ第3弾 -
クビシメロマンチスト
『戯言シリーズ』の2作目,02年05月のノベルスの文庫化です. 前作から約1ヶ月後,主人公の通う大学や街が主な舞台となり, やや外側に居た前作とは異なり,彼を中心に物語がまわります. また,ミステリとしてもまずまずだった前作とは様子も違い, どちらかと言えば,事件は物語のためのきっかけ程度の印象で, 犯人やトリックというよりは,動機や心情の面が強く出ています. そのため,ハッキリ明かされないままの『謎のメッセージ』や, それまでをひっくり返すウソ(叙述の類ではない)のセリフなど, ミステリ目線からまじめに読むと,少し不満が残るかもしれません. いくつか「おっ」と,思わせられるところもあるにはあるのですが…. ただ,登場人物の心理が嫌悪感を抱きそうなほど深く描かれ, その歪んだ動機や人が崩れていくあたりはエグくも読みどころ. 主人公の冷たさばかりが目立ったクラスメイトとのやり取りでも, 真相が語られたあとでは,また違った印象を抱くのではと思います. そんな中,主人公が見せる暖かな感情が一瞬とはいえ印象深く, そこから一気に引き落とされるような結末はなんとも言いがたく, 締めに綴られたシンプルな英語のメッセージが苦い余韻を増します. ほかにも,過去への意味深な思いや暗い未来を暗示する言葉など, 前作同様に詳細は語られませんが,まだまだ広がっていきそうです. ノベルス版との違いは,表紙,扉絵,アトガキ,表紙袖の口上で, 文庫版オリジナルのしおりとカラー扉絵はサブタイトルの少年くん. 加筆・修正の類は,文庫化では極力おこなわないスタンスだそうです. なお,先の少年くんをメインに据えた新作が四部作で予定されており, 08年08月の『メフィスト』誌から先行掲載,書籍化されるとのことです. -
きみとぼくの壊れた世界
-
零崎軋識の人間ノック
「かるーく零崎をはじめるちや」 あの頃の殺し名たちが、今、ここに集う! 竹描き下ろしイラスト入りトレーディングカード6枚! 「零崎一賊」――それは“殺し名”の第3位に列せられる殺人鬼の一族。2つの通り名を持ち、釘バット“愚神礼賛”ことシームレスバイアスの使い手、零崎軋識(きししき)。次から次へと現れる“殺し名”の精鋭たち。そしてその死闘の行く末にあるものは一体!?新青春エンタの最前線がここにある! -
ザレゴトディクショナル 戯言シリーズ用語辞典
「戯言シリーズ」にまつわる様々な言葉を、著者自らが解説。ネタバレ要素満載につき完全袋とじ。これさえ読めば、戯言シリーズの謎がほんの少し解決するかも?! 巻末にはファウスvol.3、vol.4に収録されたイラストレーター・竹氏の四コマ漫画「戯言一番」も再録。 -
不気味で素朴な囲われた世界
退屈な"日常"はいらない。 欲しいのは、"異常"――。 西尾維新が今再び放つ「きみとぼく」本格ミステリ! 時計塔が修理されない上総園学園の2学期の音楽室。 そこから始まった病院坂迷路と串中弔士の関係。歪な均衡を保つ学園の奇人三人衆、串中小串、童野黒理、崖村牢弥。そして起こってしまった殺人事件。迷路と弔士による探偵ごっこの犯人捜しが始まり、崩れたバランスがさらに崩れていく……。これぞ世界に囲われた「きみとぼく」のための本格ミステリ!