舞台は江戸時代。美貌の色若衆・月弥が胸に秘めたものは、自分を捕えた牙神を怨じる心だった。彼の身体に流れるふたつの血が、逃れられない運命を予感させる。「花夜叉」に続いて山藍紫姫子が描く、終わりなき愛の物語。

刑事スタンレー、警視ロスフィールド、精神科医ジン・ミサオ。この男たちの危険な三角関係に進展はあるのか？ また、市内の連続猟奇殺人事件の犯人は何者なのか？ 本仁戻の描き下ろしコミック付き。

その日、逢坂嘉三郎の屋敷に現れた少年は、透けるほどの白い肌と、細面の人形のように麗しく美しい容貌をもった美童であった。以来、蜘蛛の巣にかかった蝶のごとく、嘉三郎の心は妖しくとらわれていく…。山藍紫姫子と名香智子が織りなす、幻夢妖美譚。

同人誌に耽美系の作品を発表しつづけ趣味人に絶大な人気を誇る山藍紫姫子の待望の第二弾。名作「虹の麗人」完全版。

貴くも妖しい色香を持つ美貌の男娼・月弥。盗賊の二代目、犬神の早太郎としてかつて江戸を騒がせていたが、闇の司法官を務めている牙神尚照に正体を見破られてしまう。捕らわれ、犯されたあげくに、密偵となることを強要された月弥は、牙神によって火盗改方・中郷主膳の許に送り込まれる。月弥は中郷に抱かれるようになり、牙神への憎しみを募らせるが―。官能の美を描く、至極の愛の物語。

この国で一番美しい季節を、わたしは、商売の取り引き相手であるロールシャハティの豪奢な城ですごすことになった。そこで再会したのは、フレグランス大佐。冷たく研ぎ澄まされた美貌と有能さは、最前線で戦うわたしたち新兵の崇拝の的であった。