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イエスタデイをかぞえて
『三島冬至様、お迎えに上がりました』突然目の前に現れた二人組の死神にそう告げられ、大学生の冬至は自分が死んだことを知る。最後に一つだけ願いを叶えてくれるという死神の言葉に冬至が選んだのは、死ぬまでの人生のやり直しだった。自分が居なくなった後の、恋人・椿 武彦の苦しみを想像すると辛い。恋人にならない様、出会った頃の記憶を頼りに再び人生を送る冬至だったが、己の取る行動が尽く裏目に出てしまいーー。 -
ブライト・プリズン 学園の美しき生け贄
深い森の中に佇む全寮制の王鱗学園で暮らす十八歳の薔は、様々な特権を受けるという神子候補の一人に選出されてしまう。神子を決める儀式とは男に身を任せることで、その相手は日頃から敵愾心を抱いている学園管理部隊の隊長・常盤だった。抵抗する薔に、突如、意外な事実を明かす常盤。彼の秘密を知り、次第に惹かれるようになる薔。隔絶された世界で生きる無垢な少年たちは、過酷な愛に溺れてゆくーー。 -
お菓子の家
パン屋でバイトをする加瀬は、店の温かな雰囲気に戸惑うばかりだった。けれど店主である阿木の優しい手にどうしようもなく惹かれ…。 大事なものはひとつでいい リストラされた加瀬は、強面なパン屋の店主・阿木に声を掛けられ、バイトをすることに。無愛想で人との付き合い方が分からない加瀬にとって、店の温かな雰囲気は馴染みがなく、戸惑うばかりだった。けれど火事に遭って阿木と同居することになり、彼の優しい手にどうしようもなく惹かれていく。優しくされればされるほど阿木に依存してしまい、溢れそうになる -
愛と混乱のレストラン
赤字続きで休業に追い込まれたフレンチレストラン「 ル・ジャルダン・デ・レーヴ 」復活のため、 本社外食事業本部から出向してきた鷺沼理人は、若手シェフ・久我修司の引き抜きを試みる。 確かな腕を持ちながら暴力沙汰を起こし、今は実家に戻っているという久我は、理人の依頼を 「 あんたが気に入らない 」と言下に拒否する。 それでも通い続けてくる理人に久我が提示した交換条件は 「 言うことをなんでも聞く 」というとんでもないものだった。 しかしある理由から店の再興を失敗できない理人は、その崖っぷちの選択を呑むことに――。 “夢の庭”( Le Jardin des Reves ) の実現は果たして――。 -
茅島氏の優雅な生活〈2〉
孤独な資産家・茅島氏は浮世離れした風変わりな青年。そんな茅島氏の純粋さと内に秘めた情熱を知るのは、恋人である庭師の「彼」。恋をして少しずつ人間らしい感情の波を見せ始めた茅島氏は、庭師と共に英国湖水地方を訪れる。だけど、そこには庭師の昔の親友がいて―!?庭師×主人の恋を描く人気作、書き下ろし短編も収録して待望の文庫化。 -
全ての恋は病から
大学生の夏市は、いつも人肌に触れてないとダメな謎の持病の持ち主。その隣に越してきた先輩・椎名はクールでモテモテだが、ひどく汚れた部屋に住む片づけられない男。そんな2人が契約を結ぶことに…。