亂馬1/2
高橋留美子
早乙女乱馬は、幼少の頃より無差別格闘流の修行に励む高校生である。ある時、父の玄馬と共に海を泳いで中国へと渡り、悲劇的伝説が伝わる泉が多く湧く修行場:呪泉郷でいつもの様に稽古を始めたところ、その最中に父の玄馬は熊猫溺泉(パンダが溺れた泉)に落ちてしまい、水をかぶるとパンダに、乱馬も娘溺泉(若い娘が溺れた泉)に落ち、水をかぶると女の子になる(ただし、お湯をかけると元の姿に戻れる)体質になってしまった。
中国での修行を終え日本に帰国した後(東京都練馬区)、乱馬は玄馬の口から、許婚として、玄馬の友人である天道早雲の娘がいると聞かされる。嫌がる乱馬を、無理矢理天道家へと連れて行った玄馬だが、二人はパンダと女の子の姿のままだったため誤解が生じてしまう。玄馬の友人の天道早雲は、乱馬と自分の娘を結婚させて天道家ある道場を継いでもらうことが夢だったのだが、玄馬の子供が女の子だと思い込んでしまいショックを受ける。
一方、乱馬を女の子だと思い道場に誘った天道家の三女であるあかねは、乱馬と手合わせをし仲良くなった。その日の夜、乱馬は天道家の長女かすみから家の風呂に入るようにと言われ、しぶしぶ入ることに。風呂の湯に浸かると変身が解けてしまうので、乱馬は男に戻って風呂を上がるか、女のままで上がるのかを悩んだが、男に戻って上がることを決意し、風呂から出ようとする。だが、あろうことかそこで風呂に入ってきたあかねとお互い裸のまま出くわしてしまう。
事情を知った早雲は乱馬が男であったことを喜び、長女のかすみ、次女のなびき、三女のあかねの中から好きな娘を選ぶようにと薦めるが、かすみとなびきは、あかねが適任だと勝手に決めつけ、乱馬の許婚はあっさりとあかねに決まってしまう。だがあかねは、風呂での一件で乱馬を変態呼ばわりし、激しく拒否する。乱馬は理不尽に変態と言われたことに対して怒り、互いに対立し合うようになってしまう。かくして、早乙女親子はしばらく天道家に居候することになり、乱馬はあかねと同じ高校に通うこととなる。こうして、恋や格闘、そして乱馬の変身体質による周囲の混乱で騒々しい日常生活が始まるのであった。
物語は主人公の乱馬を中心に、許婚のあかねや天道家の住人、乱馬のライバルたちを巻き込んでの格闘物からコメディー、学園、季節物が中心となる。基本的には格闘物とそうではない話が交互に展開され、どの話にもコメディ要素は終始失われないが次第に格闘要素は薄くなっていく。