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チェーザレ(1)
新説チェーザレ・ボルジア伝 本邦未訳『サチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝』(イタリア語原書)を精査し惣領冬実が描く、華麗なるルネッサンス絵巻。 歴史の闇に葬られた人類史上、最も美しき英雄、チェーザレ・ボルジアの真実が甦る。新鋭ダンテ学者・原基晶が監修。世界的に最も定評のあるサチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝のイタリア語原書を翻訳し、精査を重ね生まれた全く新しい物語。 -
チェーザレ(8)
1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。 闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻! 年が明けて、1492年。チェーザレは本国スペインの歴史的勝利、レコンキスタの終結を祝うため、花の都フィレンツェへと向かう。だが真の目的は、ロレンツォ・デ・メディチと、彼の弟殺害の容疑者ラファエーレ・リアーリオとの同盟を成立させること。メディチ家を襲った悲劇から14年。かつての因縁が選ぶのは新たな平和か、混迷か? ルネッサンス史上最大のミステリー、パッツィ家の陰謀事件の真実を描き出す。 -
チェーザレ(7)
1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。 闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻! カノッサの屈辱、破壊され封印された皇帝の墓。ダンテの『神曲』に隠された、500年間明かされなかった歴史の秘密とは?すべては謎の街、ピサに眠るーー。 -
チェーザレ(6)
過酷な宿命。されど、どこまでも華麗なる天才。 「チェーザレ様 私が死んだらチェーザレ様の手で葬儀を挙げてくださいますか」 「おまえは死なない」 「死なせはしない」 広場では模擬戦の祝勝会が開かれていた。学生時代最後の思い出に仲間と興じるチェーザレ。その頃アンジェロは真犯人の痕跡を見つける。夜の闇は潜伏者たちの影を隠すのか、それともかすかな月明かりが真実を照らすのか。そして、友との間を永遠に分かつ一撃が振り下ろされた。 惣領冬実が描き出すルネッサンスの光と闇。 -
チェーザレ(4)
チェーザレ・ボルジア 没後500周年。男は中世を破壊した。 中世西欧。権力が欲望と恐怖を煽りたて、世界を戦争へと導いていた。今再び、世界は同じ過ちを繰り返そうとしているのか?閉塞する世界へ鳴らす500年前の英雄からの警鐘。理想の君主チェーザレ、再生(リナシメント)。 「ヨーロッパ人とは何だ?同じ大陸にいながらカタロニア人 バルバロイ……我々をそう呼び 蔑んできた民族のことか?」 「ふん くだらん選民意識だな」 ローマで兄を想う、チェーザレ最愛の妹・ルクレツィア。一方ピサでは工場建設を邪魔する者が。チェーザレに仇なすものが迫る中、大司教邸で因縁の晩餐会が始まる——。 -
チェーザレ(5)
初めての実戦。最後の青春。 中世の大学、そこは政治の縮図。イタリアの支配を巡り対立するスペインとフランス。ピサとフィレンツェの歴史的遺恨も再燃。名門大学は模擬戦という名の代理戦争に沸く。そしていつの時代も、若さは血を求める--。 チェーザレ暗殺を命じられた刺客がピサに潜伏した。黒幕を探るチェーザレは、祭りの喧騒の中、自らの命を餌に危険な賭けに出る。一方大学ではボルジア家の宿敵一派、フランス貴族のバリュー兄弟が帰還し、十字軍を模した大規模な騎馬試合が開かれることに。政治、復讐、野心が入り交じり、熱き戦闘が始まる。 史実を精査し圧倒的な画力で再現される、中世の戦闘。惣領冬実の新境地--。