溜冰娃娃
赤石路代
主人公、七瀬帝には皇という双子の兄がいる。世界選手権銀メダリストペアを両親に持ち、小さな頃からリンクを遊び場として育った。天才的な兄とは違い、帝は競技会に出ることもなく、ただ大好きな兄・皇の真似ばかりしていた。
そんなある日、七瀬家に不幸が襲う。兄・皇の試合の日、ロシアに行っていた父が帰ってくる予定だった。
しかし、妻子と一緒に事故に遭い亡くなったという連絡が届く。父はロシアに奥さんと子供がいた・・・ショックの3人。
傷心の母を兄・皇は慰め、帝にペアを組んで金メダルを目指そうと言い出す。二人はペアの道へ。
皇とのペアで初めての競技会に出場し、優勝。喜ぶ母だったが、またしても不幸が襲う。
皇は製氷車に轢かれそうになっていた子供を助けようとして死んでしまい、母もショックのあまり言葉を話せなくなり入院。
一人ぼっちになった帝を助けてくれたのは、ロシアから来た父の子供、帝とは異母兄妹のアレクサンドル・トーマ・ルイシコフだった。彼もまた事故の後遺症で選手生命を絶たれ自分で滑ることが出来なくなっていたのだ。
こうして帝はトーマとシングルでの金メダルを目指すことに。