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黒笑小説
出版社 / 著者からの内容紹介 東野圭吾が描く、「黒い笑い」 平静を装いながら文学賞の選考結果を待つ作家、内心では「無理だろう」と思っている編集者――。文壇事情を皮肉たっぷりに描く短編の他、笑いをテーマにした作品を収録した傑作短編集。(解説/奥田英朗) 内容(「BOOK」データベースより) 作家の寒川は、文学賞の選考結果を編集者と待っていた。「賞をもらうために小説を書いているわけじゃない」と格好をつけながら、内心は賞が欲しくて欲しくてたまらない。一方、編集者は「受賞を信じている」と熱弁しながら、心の中で無理だなとつぶやく。そして遂に電話が鳴って―。文学賞をめぐる人間模様を皮肉たっぷりに描いた「もうひとつの助走」をはじめ、黒い笑いに満ちた傑作が満載の短編集。 -
天使の耳
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!? 死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。 (『交通警察の夜』改題) -
予知夢
文春文庫(ISBN:4167110083) 発刊日 2003/08/10 Detail 内容: 夢想る(ゆめみる)/ 霊視る(みえる)/ 騒霊ぐ(さわぐ)/ 絞殺る(しめる)/ 予知る(しる) お薦め度 ☆☆☆☆ お気に入り指数 ☆☆☆☆ 著者は、『予知夢』の刊行時に、以下のような言葉を残しています。 『探偵ガリレオ』の第二弾。前作では専門的な道具が多く、たぶん抵抗を感じた読者も多かっただろう。 そこで本作では徹底的に、「オカルトを暴く」という部分にスポットを当てた。その分、主人公が理系の知識を駆使するシーンが少なくなってしまったのだが、それがよかったのかどうかはよくわからない。 ところで、前作、本作と発表するのと相前後して、テレビで『トリック』という番組が話題になったのには苦笑した。別にパクられたとは思わない。物理学者がオカルトを暴く――よくある話である。 『予知夢』では、予知・予見という、身近な超常現象が題材に用いられています。 また、「綱引き競争」に勝利するコツなど、生活の中にとけこんだ科学情報も、数多く盛り込まれています。 草薙のように、「俺はもう運動会に出る予定はない」と拗ねる人でなければ、興味深い記述にあふれた一冊となる事でしょう。 夢想る(ゆめみる) 女子高校生の部屋に不法侵入を試みた男が、少女の母親に見咎められて逃走し、ひき逃げ事故を起こしてしまう。 平凡な事件と思われたが、男は、少女が誕生する前からその姓名を認識していた事が判明し、捜査陣を慌てさせる。 嫌なタイプの人は居ても、悪人が登場しない物語なので、読後には切ない思いを余儀なくされます。夢想る(ゆめみる)少年の夢想が、こんなにも惨い悲劇を招こうとは―。 霊視る(みえる) クラブのホステスがマンションの自室で殺害されたが、ほぼ同じ時刻に、全く別の場所で彼女の姿を見た男が存在した。男はホステスの恋人であった。 捜査員の間では、被害者の霊が男に事件を知らせに行ったのではないか?という声まで出始めている。 卑劣な犯罪ではあるものの、加害男性の献身的な愛情には、胸が塞がれます。石神哲哉(『容疑者Xの献身』に登場する天才数学者)のミニチュア版といったところでしょうか。 騒霊ぐ(さわぐ) 草薙俊介は実姉の頼みを断り切れず、夫が行方不明になってしまった女性の相談に乗るはめになる。ありふれた失踪事件と思われたが、彼女の夫が消息を絶ったと想像される住居に、ポルターガイストに似た現象が起る事を聞き及び―。 作品それ自体の面白さもことながら、草薙の、ラブロマンスの到来を予感させる事態にも、深い興味を覚えました。湯川がためらいがちに贈った言葉に、このコンビの、好ましい心の交流を垣間見た気分になる事でしょう。 絞殺る(しめる) 多額の借金を抱える工場主が、ホテルの一室で死体となって発見された。彼の娘は事件前夜に火の玉が飛んだと証言している。 超常現象か?それとも―。 『一射入魂』が真相の鍵を握ります。 未解決事件の様相を見せる展開ですが、謎を解明した湯川がそれを希望するのであれば、円満な結末という事になるのでしょう。 予知る(しる) 愛人女性が、相手の男性への恨み言を残して、自殺を図った。男性の部下が現場に向かうが、彼女は既に事切れていた。 目撃証言の裏付けを取るために、聞き込み捜査を行っていた所轄署の刑事達だが、事件を予知していた少女の存在を知り、驚愕する。 事態が二転三転する展開に、長編ミステリ級の面白さを満喫できますが、結末部分に登場する「予知少女」の台詞には、言葉を失った読者も少なくないでしょう。これ以上にない意外なラスト、と言えるのかもしれません。 -
怪笑小説
年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。 -
秘密
【日本推理作家協会賞(第52回)】妻と小学生の娘が事故に。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは死んだはずの妻だった。運命は愛する人を二度奪っていく…。切なさ溢れる長篇ミステリー。 -
惡意(改版)
◆推理迷心中名列前茅的東野文學高峰之作! ◆寫實型本格推理小說能手——東野圭吾,將手記敘事可能性發揮極致的驚艷之作! 暢銷書作家突然遭人殺害,真兇到底是誰?兇手的殺人動機究竟為何? 真相背後還有真相,意外之後還有逆轉,一連串扣人心弦、張力倍增的鬥智過程,不看到最後絕對無法一窺全貌的本格推理傑作。 是什麼樣的深仇大恨,非得致作家於死地不可? 事件的背後,隱隱流竄的是人性的黑暗面,與居心叵測的惡意! 生動活潑的人物刻劃、張力十足的故事情節,沒有詰屈聱牙令人生畏的情報化知識,有的是純粹本格推理的妙味。 【名家推薦】 ◎「這是一本結構相當完整的一流傑作,視點、邏輯、伏筆、動機、意外性、公平性安排都幾近滿分, 對於台灣推理創作者與讀者而言,也是創作與閱讀本格推理的範本。」 ~藍霄 (推理小說作家) ◎「無論是採取自嘲娛人角度、以諷刺本格推理之戲作,或是提供完整線索、讓讀者公平參與的鬥智競技,還是將手記敘事之可能性發揮無遺的《惡意》,均展露了東野強大的寫作才華。刑警加賀這號猶如獵犬般的人物,使偵探與兇手之間的鬥智過程扣人心弦、張力倍增。無怪乎東野在推理迷心目中的最佳作品,《惡意》總是名列前茅。」 ~既晴 (推理小說作家)