吉祥寺咖啡屋
宮本夕生
舞台は東京都武蔵野市、若者が行き交う吉祥寺のとあるカフェ。そこはお店の外観が変っていたり、内装がとてもオシャレだったり、メニューが独創的だったりするわけではなくごくごく普通のカフェである。紅茶やコーヒーの香りが立ち込める、どこの街にもありそうなカフェなのだがそこのメニューにあるケーキ等のスイーツはとても人気で、更にそこで働いている男の子達も人気の的なのであった。
超が付くほどの潔癖症でしっかり者で店のチーフを務めている栗原太郎、その太郎と犬猿の仲で美女が絡むと意欲100倍で突っ走るフロア担当の大久保真希、ケーキ作りの一流だがかなりの不気味さを兼ね備えたキッチン担当の皆川ひふみ、体育大に通う貧乏学生で、仕事ではドジばかりしているものの何処か憎めない面を持つアルバイトの徳見秀太、家がお金持ち、女の子の容姿でおっとりしているかと思いきや、キレると信じられないような怪力を披露する一ノ宮純。後に登場するアマゾン帰りの元傭兵でオカマ言葉を使う筋骨隆々にしてサバイバル能力の持ち主・菜積浩伸と言ったそれぞれに個性を持った6人の若者たちが繰り広げる、思わず微笑んでしまうようなドタバタ劇である。もはやカップや食器が割れる音はBGMと化している。そして6人の行動・言動にストレスが溜まり、胃を痛める日々が続くマスター・三鷹雄一。そしてさらにCafe吉祥寺の前に堂々と立ちはだかる牛丼屋の店長である桃子。カフェ激戦区・吉祥寺での営業を続けていくことができるのか。果たして…。