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二月病
一九九八年二月、突然おそった出来事が、親友だった彼らの運命を変えた——。 それは幸せだったのか、不幸だったのか。 高校の同級生で親友の蒼司に突然告白された千夏は、恋よりもずっと一緒にいられる道……友人であることを選び、やんわりと蒼司を拒絶する。 その翌日、蒼司は学校に現れなかった。 千夏が自宅や携帯電話に連絡を入れると知らない男が電話に出た。 しかし異国の言葉で聞きとれない。 不安に駆られた千夏は蒼司の家を訪ねるが、そこに彼の姿はなく——。 -
天球儀の海
命を懸けた、せつない片想い。 希は特攻に行くことを決めた。 町の名家の跡取りの、1人息子である坊ちゃん、 資紀の身代わりとして――。 幼いころ、希は危ないところを資紀に助けられた。 資紀が現れなかったら 自分に命は五歳で消えていた。 坊ちゃんとお国のために死ねるなんて、 なんと幸せなことだろう。 希は十数年ぶりに坊ちゃんと再会するが……。