目录
【内容目次】
前 言 ・・・・・・ 遠藤隆俊・平田茂樹・浅見洋二
政治史研究――国家史・国制史研究との対話を求めて―― ・・・・・・ 平田 茂樹
法制史研究 ・・・・・・ 小川 快之
財政史研究 ・・・・・・ 宮澤 知之
地域社会史研究 ・・・・・・ 岡 元司
家族宗族史研究 ・・・・・・ 遠藤 隆俊
都市史研究 ・・・・・・ 久保田和男
地方志・石刻研究 ・・・・・・ 須江 隆
儒教思想研究 ・・・・・・ 市來津由彦
仏教道教史研究 ・・・・・・ 松本 浩一
文学研究 ――詞学および詩文を中心に―― ・・・・・・ 内山 精也
古典小説研究およびその史学的研究への活用 ・・・・・・ 勝山 稔
絵画史研究 ・・・・・・ 板倉 聖哲
五代十国史研究 ・・・・・・ 山崎 覚士
遼金史研究 ・・・・・・ 飯山 知保
日宋交流史研究 ・・・・・・ 榎本 渉
編者・執筆者紹介・英文目次
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【收起】
内容简介
宋代社会を周辺国家との交流も含め総合的に考察する――宋史研究の最新の総括なる!
【前言より】
本書は1980年代以降における日本の宋史研究をテーマごとにまとめ,その現状と課題を示したものである。近代日本の中国史研究は100年以上の歴史があり,世代的にはおよそ6世代から7世代,時代的には大きく3つの時期に分けることができる。第1期は戦前すなわち1945年以前の研究であり,第2期は戦後すなわち1945年から70年代頃まで,そして第3期は1970―80年代から現在に至る時期である。
本書はこの第3期における宋史研究を政治制度,法制,財政経済,地域社会,家族宗族,都市,地方志碑文,儒学思想,仏教道教,文学,古典小説,絵画美術の分野から考察し,あわせて五代十国史と遼金史,日宋交流史研究の成果を収めている。・・・・研究の第1期とは日本の研究の開拓期であり,宋代の政治制度や経済財政,社会文化について,基礎的かつ包括的な実証と見通しが示された時期である。いわゆる「唐宋変革論」など大きなテーマが提起されたのもこの時期であり,開拓期の研究は現在に至るまで大きな影響力を持っている。第2期は戦前の研究を基礎に,あるいはその反省のもとに,マルクス主義の立場から階級論的な分析が盛んに行われた時期である。この時期の研究としては,地主佃戸制や農民闘争,民衆反乱などのテーマが多く見られる。第3期は階級史観に代わってアナール学派や民俗学,人類学の考えを取り入れた分析方法が盛んとなった時期であり,日常性や心性,女性,風俗など社会史や文化史に関わるテーマが多く研究されている。
本書は初学者への入門書あるいは手引書を目指したものではなく,研究途上にいる我々執筆者が自分の研究フィールドで抱えている現状と課題を,中長期的な展望の中でとらえ直したものである。第3期もおよそ30年という歳月が経過し,研究の潮流も次第に変化しつつある。この中でこれまでの研究を総括し,次への展望を図ることも無意味ではないと考える。優れた入門書や研究書に屋上屋を重ねる危険性を顧みず,敢えて本書を公刊する理由もここにある。本書で取り上げる第3期宋史研究の潮流およびその特徴は,大きく分けて3つある。1つは「専制国家論」すなわち国家史,国制史,法制史の深化,発展であり,2つめは「士大夫,地域社会論」すなわち社会史,文化史の盛行,そして3つめはモンゴル元朝史の隆盛である。
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