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十二国記·風の万里·黎明の空(下)
景王(けいおう)──陽子は、官吏(かんり)の圧政で多くの民が重税や苦役に喘いでいることを漸(ようや)く知り、己の不甲斐なさに苦悶していた。 祥瓊(しょうけい)は、父峯王(ほうおう)が、簒奪者(さんだつしゃ)に弑逆(しいぎゃく)されなければならないほど、国が荒(すさ)んでいることに気づかなかった自分を恥じていた。 鈴(すず)は、華軒(くるま)に轢(ひ)き殺された友・清秀(せいしゅう)の命を守れなかった自分に憤り、仇討ちを誓った。 ──それぞれの苦難(かなしみ)を抱えた3人の少女たちの邂逅(であい)は、はたして希望(よろこび)の出発(はじまり)となるのか!? -
十二国記·黄昏の岸·暁の天(上)
反乱鎮圧に出かけたまま帰らぬ王、そして、消えた麒麟――。戴国の命運を案じ、将軍李斎は命を賭けて慶国を訪れる! 登極から半年、疾風(はやて)の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。そして、弑逆(しいぎゃく)の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒(たいほたいき)は、忽然と姿を消した!虚海のなかに孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は身も心も凍てついていく。もはや、自らを救うことも叶わぬ国と民――。将軍李斎は景王陽子に会うため、天を翔る! 待望のシリーズ、満を持して登場!! -
十二国記·黄昏の岸·暁の天(下)
十二国記シリーズ海を越えた泰麒は、いま!? 白雉(はくち)が落ちた――?王を失くした戴国を救うため、延麒六太をはじめとする麒麟たちが、いま堯天(ぎょうてん)に集う! 鳴蝕(めいしょく)。山が震え、大地が揺れ世界が歪み、泰麒は、10の歳までを過ごした蓮莱(ばしょ)にいた。帰りたい――。しかし、その術を知らない。泰麒が異界でひとり懊悩する頃、戴国には謀反によって偽王が立ち、日ごと荒れていた。その行く末を案じ、泰台輔(たいたいほ)と同じ胎果である誼(よしみ)の陽子を頼り、慶国を目指した李斎は思う。麒麟がいなければ、真の王はあり得ない、と。そしていま、雁国(えんこく)をはじめとする、諸国の王と麒麟が、戴国のために立ち上がる! -
十二国記·月の影·影の海(下)
「私を異界(ここ)へ喚(よ)んだのは、誰!?」 海に映る月影をぬけ、ここへ連れてこられた陽子に、妖魔は容赦(ようしゃ)なく襲いかかり、人もまた、陽子を裏切る。 試練に身も心も傷つく陽子を救ったのは、信じることを教えてくれた「ただひとり」の友──楽俊(らくしゅん)。ひとりぼっちの旅は、ふたりになった。 しかし、“なぜ、陽子が異界(ここ)へ喚ばれたのか?なぜ、命を狙われるのか?”その真相が明かされたとき、陽子は、とてつもない決断を迫られる! -
十二国記·風の万里·黎明の空(上)
慶国(けいこく)に、玉座(ぎょくざ)に就(つ)きながらも、王たる己に逡巡(しゅんじゅん)し、忸怩(じくじ)たる思いに苦悩する陽子(ようこ)がいた。 芳国(ほうこく)に、王と王后(おうごう)である父母を目前で殺され、公主(こうしゅ)の位を剥奪されて哭(な)く祥瓊(しょうけい)がいた。 そして、才国(さいこく)に、蓬莱(ほうらい)で親に捨てられ、虚海(きょかい)に落ちたところを拾われて後、仙のもとで苦業を強(し)いられ、蔑まれて涙する鈴(すず)がいた。 負うにはあまりある苦難(かなしみ)の末に、安らぎと幸せを求めて、それぞれに旅立つ少女たち。その果てしない人生(たび)の門(いりぐち)が、いま開かれる!! -
屍鬼 一
人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。山深い集落で発見された三体の腐乱死体。周りには無数の肉片が、まるで獣が蹂躪したかのように散乱していた―。闇夜をついて越して来た謎の家族は、連続する不審死とどう関わっているのか。殺人か、未知の疫病か、それとも…。超弩級の恐怖が夜の帳を侵食し始めた。