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アフターダーク
時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。 間違いなく村上春樹の作品。 その空気感は変わらない。 でも… 普通の小説ではない。 普通の小説に期待することを期待すると肩すかしに遭う。 そう思って読めば、多くのことは受け入れられる。 その有り様は革新的であり実験的で、 挑発的であるとも言える。 -
風の歌を聴け
デビュー25周年記念。文字が大きくなった作家デビュー25周年を記念して、単行本表紙と同じデザインの文庫カバーに一新。文字サイズが大きくなって、とても読みやすくなりました。必読の青春バイブル。 -
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
良いニュースと悪いニュースがある。 多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントまでは……。