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不浄の回廊
中学の頃から想い続けた相手は、不吉な死の影を纏っていた―。霊能力を持つ歩が引っ越したアパートで出会った隣人は、中学の同級生・西条希一。昔も今も霊現象を頑なに認めない西条は、歩にも相変わらず冷たい。けれど、以前より暗く重くなる黒い影に、歩は西条の死相を見てしまう。距離が近づくにつれ、歩の傍では安心して眠る西条に、「西条君の命は俺が守る」と硬く胸に誓うが…。 -
忘れないでいてくれ
他人の記憶を覗き、消す能力を持つ清涼は、ある日、ヤクザのような目つきの秦野という刑事から、重要な事件を目撃した女性の記憶を消したと詰られ、脅される。仕返しに秦野の記憶を覗いた清涼は、激昻した秦野に押し倒され…。 -
薔薇の誕生
金髪の守護者レヴィン、赤毛の守護者ラウル。ふたりの守護者から守られながら、啓は薔薇騎士団の総帥としてアダムとの最後の闘い -
薔薇の奪還
不死者の血を引く者として、薔薇騎士でありながら薔薇騎士団から追われる身となった啓。ずっと啓を見守ってきた守護者であるレヴィンは啓の血によって死にも似た眠りにつき、もうひとりの守護者であるラウルは啓を救うために、宿敵アダムの手に落ちていた。誰が本当の味方なのかさえわからないなか、ふたりの守護者を思い、ときに孤独に囚われる啓だったが…… 薔薇騎士と守護者、離れることのできない運命が再び動き始める!? -
香檳色的嘆息
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不確かな抱擁
変わりたい―。昔から、北斗の行く所には災いが起こる。その為、接触嫌悪症を患った北斗は部屋に閉じこもりがちの生活を送っていた。自分を取り巻く不思議な因縁はいったい何なのか…。その原因を突き止めるため、北斗は母の故郷、八ツ島へ向かった。七歳の頃その島で記憶を失ったのだ。記憶をたどれば、どこへ行っても疫病神の自分を変えられるかもしれない。しかし、そこで北斗を襲ったのは、再度の記憶喪失だった。島に着いてからの記憶がない北斗の身体には、誰かと抱き合った後のような痕跡が残っていて…。幾重にも折り重なる謎と屈折した人の感情が絡まりあう、エモーショナルラブストーリー。